幼稚園からはじめる受験準備


ボーディングスクールに限らずアメリカの高校、大学入試はAO入試です。標準試験のSSATやSATの得点が高いことに越したことはありませんが高得点だけでは入学できません。たとえばトップボーディングスクールの場合平均競争倍率は5倍ですが、SSATの得点が95%~99%のレンジにいる受験生の競争倍率は3倍です。得点が高ければ入学しやすくなりますが、思ったほど試験の点数は影響しません。高いだけでは入学できないのがAO入試の難しいところです。どのようにしてではいったいどのように入試の準備をしたら良いのか? それには:

① 卓越した受験生のプロフィール

② 戦略的な受験プラン

が必要です。

卓越したプロフィールとは”Well-rounded”であること、もしくは飛びぬけた才能があることのいずれかです。 Well-roundedとは文武両道で奉仕の心をもったバランスの取れた人間という意味です。ある意味理想の若者です。ボーディングスクールへの受験する、しないにかかわらず、Well-roundedな子供に育って欲しいと思うのはすべての親に共通の想い でしょう。飛びぬけた才能とは読んで字のごとく、ひとつの分野で他を圧倒する能力を持っていることです。例を挙げると数学オリンピックで優勝する、運動の世界記録を持っている、高度なピアノコンクールで優勝するなどです。 アメリカの親たちは長期的な戦略を立てて子供の才能を見つけるか、もしくは子供をWell-roundedな子供に育てようとしています。そのプランはどのようなものなのでしょう。 下に例を挙げてみましょう。

小学生のとき:

  • 広い分野にわたってかなりの分量の読書をさせる
  • 特殊な才能の兆候がないか注意して観察する
  • コンピュータのスキルを教える
  • 子供の興味にあった課外活動を始める。できれば運動系の活動と文科系の活動をそれぞれ複数(3~5活動)を子供に選ばせてはばひろく活動を始める。

私たちの場合、まず、読解力を高めるため大量に読書をさせました。分野を問わずどのような本も買い与えました。本を買う場合には予算を決めずに買ったので今では娘専用の書架が4つ、2000冊以上あります。またテレビは読書の時間の邪魔になるので幼稚園にあがるときに家からテレビは撤去しています。この10年以上テレビは1分も見たことがありません。課外活動はとくに運動系の課外活動はいろいろなものを経験させました。器械体操、フィギュアスケート、水泳、ゴルフ、テニスはすべて個人コーチをつけてレッスンしています。その中でフィギュアスケートをとくに重要視して続けていました。文化系の課外活動はキリスト教会系のボランティア、炊き出しボランティア、リーダーシッププログラムなどの活動を始めています。また、ピアノは4歳から、バイオリンは5歳から始めています。 学業では英語と数学のチューターを週に一回ずつお願いしました。 小学生のころは学校の宿題も少なく自由時間が多いのでいろいろな課外活動を経験させてあげることを考えていました。

中学生のとき

  • 引き続き広い分野にわたって大量の読書をさせる
  • 小論文、エッセイなどの作文の勉強に力を入れる。チューターをつけて練習を繰り返す。
  • リーダーシップの能力があるか注意して観察する
  • 通っている教師や学校関係者との良い関係をつくる
  • 勉強のできる子供はJohns Hopkins 大学のCTYDuke大学のTIP(いわゆる天才児プログラムとよばれるプログラム。中学生に大学入試テストSATを受験させる英語、数学のそれぞれで600点以上のスコアをとるとGiftedと認定され各種のアドバンスプログラムを大学で受講できる)を受験させる。
  • ボランティアの仕事など地域への社会奉仕活動を始める。
  • 課外活動の数を絞り込み始める。最終的には運動と文科系の活動をそれぞれ2,3までに留める(広くから深くへ)。
  • 特殊な才能が認められたら、その分野へ教育資源を集中する

などがあげられます。詰め込んで勉強をさせるということはしません。意外なことに数学の勉強もそれほどさせません。それよりも読書と作文を徹底的に強化すること。スポーツや芸術、特殊な才能など将来の才能の芽を探すことに力を入れるのが特徴です。中学生になるリーダーシップ、ボランティアなどの社会活動により力を入れるようになります。このように段階を経てWell-roundedに育ててゆくのです。

私たちの場合、中学生のころは、英語、数学に加えて第二外国語のチューターを増やして、学校の成績を高く保つことに気をつけました。中学校の成績は3年間分すべてが受験校に送られるので1年目からしっかり予習復習をさせています。とくにチューターをつけるのは効果的でした。一週間に2時間教えてもらうだけでずいぶん学校の成績を維持することに役立ったと思います。結果3年間オールAの成績でした。相変わらず本は読んでいましたが、宿題が増えるため相対的に本を読む量は減りました。読書好きにするためには小学生のときに読んでいないと、中学生になってからは時間的に難しいと感じました。課外活動は小学生のときと変わらずボランティアとリーダーシッププログラムを続けました。とくに夏休みなど休みに集中してこれらの活動を行いました。音楽はピアノ、バイオリンに加えフルートを習いました。これは中学校で吹奏楽団に入ったためで(吹奏楽ではピアノやバイオリンのパートがない)す。 そのため、一日のうち、ピアノ1時間、バイオリン、フルート各45分ずつと音楽に割く時間がとても多くなりました。また積極的にオーディションに出て、賞を取ったりすることをすすめました。 運動は引越ししたためフィギュアスケートリンクへのアクセスがなくなったため、フィギュアはやめて特別力を入れることはありませんでした。 そのほかには前述のCTYやTIPに参加したりコミュニティサービスに参加しています。中学になると時間の制限が多くなるのでタイムマネジメントが大事だと感じました。

小、中にわたる教育のプロセスは長期にわたり親の金銭的負担と時間の負担は非常に大きいものです。計算したら課外活動やチューターのために小学一年生から中学卒業までの8年間で1500万円以上支払っています。(学校の学費は除く)また送り迎えだけでこの8年間で3300時間を費やしています。 学校に任せていては到底無理な話で、親が積極的に複数の教師、コーチなどと話をしながら子供の能力を最大限に伸ばすこと、教養を最大に高めること、奉仕の心を育てることに注力しなければなりません。実際にアメリカに住んで判ったことですがアメリカの中流以上の家庭は日本と同じかそれ以上に教育熱心です。私たちが小中学校のときにした活動は私たちのまわりでは特別ではなく、ごく普通です。 日本のように勉強や限られたお稽古だけに向かうのではなく幅広く多方面に向かっているのが特徴といえば特徴かもしれません。

日本からの留学を考えるとき、これにひとつ付け加えることがあります。それは:

幼稚園のとき:

  • 学習言語をきめる。(英語をメインの言葉として学習するのか、日本語をメインとするのかを決める)

です。上のリストにもあったように「読書」と「作文」は人生においてももっとも重要な教養です。すべての学問は読書と作文の上に成り立っています。小学生中学生のときにこの二つをしっかりと学んで将来の基礎を作らなければなりません。途中で別の言語に切り替えてしまうとその分子供の理解が遅れたり、新たにはじめから作り直さなければならなくなります。そうなることは子供の学力の発達に大きく影響します。第二外国語として英語や日本語を勉強させることは良いです。パイリンガルに育てることも良いことだと思います。しかし会話と読み書きとは違います。会話は複数の言語を同時に教えることも可能ですし子供は十分にその能力があります。しかし読み書きは会話に比べると遥かに高度な学習です。読み書きをするメインの言葉を幼稚園のうちに決めておくことが必要です。このことは両親にとって大きな決断ですが、一度決めたらぶれることなく子供に同じ環境を与えてあげてください。 私たちの場合は英語を学習言語と決め、学校教育はすべて英語環境で統一しました。ただ家庭の会話は日本語しか使わず、勉強は英語、家庭の会話は日本語というポリシーを貫きました。また第二外国語として日本語を勉強させているので簡単な読み書きだけはできるようにしています。

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コメント / トラックバック4件 to “幼稚園からはじめる受験準備”

  1. kinkin Says:

    できましたら、直接メールさせていただいきたいのですが、よろしくお願いします。

  2. usboardingschool Says:

    Kinkinさん、はじめまして。
    よろしければコメント欄にてメールアドレスをお送りください。
    個人情報を含むコメントは一般公開しませんのでアドレスをほかの方に知られることなくメールアドレスを送ることができます。
    よろしくお願いいたします。

  3. usboardingschool Says:

    Kinkinさん、

    メルアドご送付ありがとうございます。
    コメントは個人情報なので非承認として公開せず削除いたしました。
    いただいたメルアドに私のメルアドをお送りいたしたのでご確認ください。

  4. sunflowervalley Says:

    アメリカでの子どもの学校事情がよくわからなかったのですが、こちらのサイトはわかりやすく、とても参考になります。
    直接ご相談させていただきたいことがあるのですが、どうぞよろしくお願いします。


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